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技術紹介


第9回  高温の熱膨張率、比熱、熱伝導率などの測定
1500℃以上の高温DTA
図1は純鉄の1200℃〜1600℃間の昇温と冷却のDTA(示差熱分析)の結果です。昇温のときの1396℃と1536℃の吸熱ピークは、それぞれ鉄のγ鉄→δ鉄の変態、δ鉄→融解によるものです。冷却のDTAでは液体からの凝固(δ鉄)とδ鉄→γ鉄の変態が発熱ピークとして求められていますが、特に凝固は100℃近く過冷しています。
融解の吸熱ピークの立ち上がり温度から融点が求められます。この測定では1536℃と求められ、文献値(金属データブック、第2版、10頁、Tm=1809K)とよい一致を示しています。
測定条件は次のとおりです。試料:Johnson & Mathey社製高純度鉄、6N、632mg、試料容器:高純度アルミナ製、熱電対:R熱電対、0.5mm径、雰囲気:高純度Ar中

図1 純鉄の示差熱測定
図1 純鉄の示差熱測定

高温比熱測定-断熱走査法
断熱走査法(長崎-高木法)による測定1)では、ただ1回の昇温測定で定圧比熱〜温度曲線が求められるだけでなく、融点、転移点、融解熱、転移熱などが求められます。高温の比熱測定は一般的に850℃が測定最高温度です。図2は断熱走査法によって求められた純鉄の比熱〜温度曲線です。約770℃の異常比熱は鉄の磁気変態によるもので、770℃は鉄のキュリー点です。さらに高温の約910℃のピークは、鉄のα鉄→γ鉄への変態によるもので、潜熱を伴う一次転移であることがわかります。

高温の熱伝導率の測定
1000℃以上の高温の熱伝導率は熱線法2)とレーザフラッシュ法3)を用いて測定しています。図3は炭素繊維成形体(C-Cコンポジット)の熱伝導率を熱線法によって室温から1300℃まで100℃おきに測定した例です。試料密度はρ=0.164/ml、雰囲気:窒素、試料サイズ=35mm径×50mm高さ(縦2つ割)
熱線法は熱伝導率の小さい低熱伝導の試料に適した測定法です。
図4はCr-Mo鋼の熱伝導率をレーザフラッシュ法により室温から1300℃まで50℃おきに測定した例です。実際の測定はレーザフラッシュ法で熱拡散率を測定し、別に求めた比熱と密度の値から次式により熱伝導率を算出します。

   λ=C・ρ・α

ここで、λ、C、ρ、αはそれぞれ熱伝導率(W/mK)、定圧比熱(J/kgK)、密度(kg/m3)、熱拡散率(m2/s)です。

図2 純鉄の断熱走査法による比熱測定
図2 純鉄の断熱走査法による比熱測定

図3 炭素繊維成形体の熱線法による熱伝導率測定
図3 炭素繊維成形体(ρ=0.164g・cm3)の熱線法による熱伝導率測定

図4 Cr-Mo鋼のレーザフラッシュ法による熱伝導率測定
図4 Cr-Mo鋼のレーザフラッシュ法による熱伝導率測定

高温のヤング率の測定
超音波法によれば1000℃以上の高温におけるヤング率、剛性率およびポアソン比が求められます4)。図5はNi基単結晶超合金の室温から1050℃までのヤング率の測定データをしましたものです。試料はTMS-75で、第3世代の超合金、化学組成は12.0%Co、3.0%Cr、2.0%Mo、6.0%Al%、6.0%Ta、0.1%Hf、5.0%Re。

図5 Ni基単結晶超合金の超音波法によるヤング率測定
図5 Ni基単結晶超合金の超音波法によるヤング率測定

参考文献
1)金属,74-7(2004)746-747.
2)金属,74-6(2004)634-635.
3)金属,74-2(2004)176-177.
4)金属,74-4(2004)434-435.

出典:金属,Vol.74 No.10 (2004), pp.122-123.

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