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たたら製鉄の技術論 日本古来の鉄作りが現代によみがえる
永田和宏
2021年4月10日 初版1刷
ISBN 978-4-86707-004-8 C3057
発行 アグネ技術センター
A5判/ 250頁
定価 3,080円(本体価格 2,800円+税 10%)
→厚さ:15 mm,重さ:380 g
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砂鉄という粉鉄鉱石を原料に使う「たたら製鉄」は世界でも非常にユニークな製鉄法で、溶けた銑鉄と鋼の塊をわずか30分で作る高速製鉄です。
製鉄法は6世紀後半にわが国に伝えられ、砂鉄を使った製鉄法としてわが国で独自に発展し、明治の中頃までの主要な製鉄法でした。1500年も昔からの人たちが、どのように砂鉄を吹飛ばないよう工夫したか、なぜたたら炉が箱型なのか、なぜ精巧な地下構造があるのか、天秤鞴などで送る脈動風の効果は何か、現代の溶鉱炉とあまりにも異なる「たたら製鉄」を科学的に解明した書です。
そして、粉鉄鉱石を使うたたら製鉄の原理を使ってカーボンニュートラルを実現するマイクロ波加熱高速銑鉄製造方法を紹介します。
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[目次]
はじめに
第1章 “ たたら” との出会い
1 “ たたら” との出会いそして失敗の連続
2 大野兼正刀匠と“ 永田たたら” の開発
3 包丁作りツアー
4 “ 出前たたら” と“ たたらサミット”
5 たたら製鉄の広がり
第2章 たたら研究への道
1 日刀保たたらと木原明村下との出会い
2 高橋一郎先生とたたらの研究
3 日刀保たたら鈴木卓夫課長と安部由蔵村下
4 勉強会
5 日本鉄鋼協会「鉄の歴史」フォーラム
第3章 日刀保たたら操業見聞録
1 出雲ヘ
2 高 殿
3 炉の構造
4 炉作り
5 操 業
6 炉況判断
1)炎の観察
2)ホド穴の観察
3)ノロの観察
4)「しじる」音と送風音
7 早種による炉内反応の調整
8 ノロの組成変化と炉内状況
9 生産量と品質
第4章 たたら製鉄復元への道
1 靖国鑪の建設と製錬技術
1)計 画
2)建 設
3)操 業
4)生産性と原価計算
2 日本鉄鋼協会のたたら製鉄復元実験
1)たたら製鉄復元の思い
2)計 画
3)建 設
4)操 業
3 日刀保たたら製鉄の復元
1)計 画
2)復元工事
3)砂鉄の採取
4)たたら炭の製造
5)釜土の採取
6)地下構造の補修
7)炉の構築
8)操業の条件設定
9)操業結果
10)日本鉄鋼協会の復元実験との関係
第5章 村下の技
1 堀江要四郎村下の技
1)堀江要四郎村下
2)高殿の立地条件
3)釜 土
4)炉の形状
5)操 業
6)たたら歌
7)金屋子信仰
2 安部由蔵村下の技
1)安部由蔵村下
2)聞き取り調査
3)砂鉄の装入
4)木炭の装入
第6章 地下構造
1 地下構造と構築
1)地下構造の大きさ
2)「カワラ」から下の構造
3)「本床」と「小舟」の構造
4)床焼き
5)本床の仕上げ
2 地下構造の歴史的変遷
3 地下構造のメンテナス
4 本床と小舟の機能
1)本床の試料採取と分析
2)本床の灰の嵩密度,水分濃度,定圧比熱および熱伝導度
3)操業中の小舟の温度,湿度および水蒸気濃度
4)地下構造における熱流と温度分布
5)本床と小舟の役割
6)平成12年および13年の冬季操業実績と本床修復効果
第7章 砂 鉄
1 砂鉄とは何か
1)原料となる砂鉄の見分け方
2)砂鉄の性質
2 砂鉄の選鉱法
3 各地の砂鉄の組成
4 籠り砂鉄を用いた操業
1)日刀保たたらにおける籠り砂鉄を使用した操業
2)明治期のたたら製鉄操業における籠り砂鉄
3)日本鉄鋼協会復元たたら操業における籠り砂鉄
5 籠り砂鉄の性状
6 籠り砂鉄使用の効果
1)操業上の効果
2)玉鋼の性質
7 籠り期の炉内反応
第8章 たたら炭
1 たたら炭とは何か
2 木炭製造の歴史
3 たたら炭の製造方法
1)伏せ焼法
2)炭焼き窯法
4 炭焼き窯の中の状態
5 たたら炭の反応性
第9章 ヒと銑の生成機構
1 小型たたら炉
1)永田たたら炉の構造
2)炉内の酸素分圧と温度の測定および試料採取
3)操業方法
4)操業結果
2 炉内の状態
1)温度と酸素分圧分布
2)羽口上20cmにおける砂鉄の還元と溶解
3)ヒと銑の成分組成
4)ノロの成分組成と時間変化
5)羽口の角度の影響
3 ヒと銑の生成機構
1)送風速度の影響
2)吸炭と溶融
4 ノロの生成とその役割
1)ノロの生成
2)TiO2とAl2O3の役割
5 炉下部におけるヒと銑の状態
6 「ヒ押し」と「銑押し」の操業方法の相違
第10章 風と炎
1 炎の色と高さ
2 鞴の送風能力
3 風の流れと炎の出方
4 木炭の燃焼温度と送風速度
5 砂鉄の飛散条件
6 送風管内の圧力損失
1)砺波鑪の場合
2)價谷鑪の場合
3)永田式小型たたらの場合
第11章 物質収支と熱収支への脈動送風の影響
1 たたら製鉄操業における脈動送風の効果
1)たたら製鉄の操業と炉況
2)吹き込み空気の利用効率
3)砂鉄の飛散量
2 小型たたら操業における脈動風と連続風の比較
1)永田たたら炉と脈動風発生装置
2)操業結果
3)脈動送風による木炭の燃焼効果
4)ヒの状態に及ぼす脈動送風の影響
3 たたら製鉄の熱収支
1)発熱量
2)吸熱量
4 たたら製鉄の非効率性の原因
第12章 たたらを現代に
1 第3 の製鉄法
2 粉鉄鉱石から銑鉄を作る新製鉄法
3 マイクロ波加熱連続製銑法
4 マイクロ波製鉄による炭酸ガスの排出抑制
5 エネルギー利用の革新的転換
付 録
1 地下構造の物性値の測定方法(第6章)
2 酸素センサー(第9章)
3 炭素の燃焼熱とマグネタイトの炭素還元反応熱(第11章)
あとがき
参考文献
索 引
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〒107-0062 東京都港区南青山5-1-25 北村ビル TEL03-3409-5329(代表)/FAX03-3409-8237
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