低温(−190℃)から高温(1300℃)までの測定が可能です。
【測定原理】
棒状試料の伸びの変化は、検出棒によって差動変圧器に伝えられ、電圧の変化に正比例して変換され、熱膨張回路により増幅され、記録計に試料温度とともに記録されます。
このたび、押棒式縦型熱膨張計(アドバンス理工(株)製DL-9600型)を設置しました。
本膨張計は赤外線集光型の加熱炉を備えており、試料表面につけた熱電対で温度制御を行なうため試料の加熱速度、加熱温度また冷却速度の精密な管理ができること、また炉体自身を水冷しているため、加熱測定終了後の降温が速く、測定効率が高いこと等を特長としています。データ採取と処理はWindows上のソフトにより行ないます。
主な測定仕様は次の通り。
1) 測定温度範囲: 室温から最高1100℃
2) 試料形状: 直径3 - 5 mm の丸棒、または一辺3 - 5 mmの角柱で、 長さは15 mmまたは20 mm(10 mmも可)
3) 加熱速度: 通常5 ℃/min. 850 ℃以下では2 ℃/min.も可能
4) 押棒の荷重: 通常15 gf 50 gf まで加増可
5) 押棒および試料保持部材: 透明石英製
6) 測定法: JIS Z2285 準拠
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本膨張計で、産業技術総合研究所計量標準総合センターの熱膨張率標準物質 / 単結晶シリコン(NMIJ RM 1101-a)の膨張率を700℃まで測定しました。
〈測定条件〉
試料長 15.033 mm (形状:約4 mm ×4 mm× 15 mmの角柱)
加熱速度 5 ℃/min
雰囲気 N2 ガス 0.03 MPa
基準温度 20 ℃
測定値は産業技術総合研究所の評価値に対して全測定温度域にわたり,2 %台以内のずれで一致しました。
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アドバンス理工製押棒式縦型熱膨張計 DL-9600 ⇒ 測定結果例は
こちら
アルバック理工製縦型熱膨張計 DL-9500 ⇒ 測定結果例は
こちら
アルバック理工製縦型熱膨張計 TM-7000 ⇒ 測定結果例は
こちら
測定装置 | 測定温度範囲 | 測定雰囲気 |
アドバンス理工製縦型熱膨張計 DL-9600 | 室温〜1100℃ | 不活性ガス中(N2) |
アルバック理工製縦型熱膨張計 DL-9500 | 室温〜1300℃ | 不活性ガス中(Ar) |
アルバック理工製縦型熱膨張計 TM-7000 | −190〜100℃ | 不活性ガス中(Ar) |
測定例:エポキシ樹脂のガラス転移点